Pock/Chambolleの一次法
先の鞍点問題の数値解法として、
参考文献[1]では以下(を含めた形)のアルゴリズムが提示されている。
xk+1=proxGτ(xk−diag(τ)KTyk)yk+1=proxF∗σ(yk+diag(σ)K(2xk+1−xk))
τ∈R++n, σ∈R++m であり、
diag(τ), diag(σ) はアルゴリズムパラメータであるとともに前処理行列としての役割をもつ。
τj=∑i=1m∣Ki,j∣1σi=∑j=1n∣Ki,j∣1(j=1,…,n)(i=1,…,m)
と定めると、このとき
∥diag(σ)21Kdiag(τ)21∥2≤1
(左辺のノルムは作用素ノルム)が成立する1。
また、この不等式が成立するとき上記アルゴリズムが収束する(解が存在すれば)ことが示されている。
proxGτ は近接作用素であるが、diag(τ)−1 によりスケールされた内積に誘導されるノルム
∥x∥diag(τ)−1=⟨x,x⟩diag(τ)−121=(xTdiag(τ)−1x)21
を用いて定義されている2:
proxGτ(x~)=argxmin(G(x)+21∥x−x~∥diag(τ)−12)
なおMoreau分解により
y~=proxFσ(y~)+proxF∗σ(y~)
が成り立つ。
1. Totsu
では、prox の計算を容易にするため τ にグルーピングを施すが、この不等式が成立するようにグルーピングしている。 ↩
2. Totsu
では、対角要素グルーピングにより、スケールされたノルムを考慮しなくてよい。また G,F を指示関数とするため近接作用素が単に射影となる。 ↩