Homogeneous Self-dual Embedding
錐線形計画問題の最適性条件を線形方程式系として書くと
⎣⎡0−AcTAT0bT0−I0⎦⎤⎣⎡xys⎦⎤+⎣⎡cb0⎦⎤=0,s∈K,y∈K∗
となるが、主問題・双対問題が実行可能でない場合には解をもたない。
そこで Homogeneous Self-dual Embedding(参考文献[1]を参照)に倣い、新たな変数 τ,κ を導入して、
⎣⎡0−A−cTAT0−bT0−I0cb0⎦⎤⎣⎢⎢⎡xysτ⎦⎥⎥⎤=⎣⎡00κ⎦⎤,s∈K,y∈K∗,τ∈R+,κ∈R+
とおく。
特に τ=1,κ=0 の場合は元の線形方程式に戻る。
また
⟹⟹⟹−cTx−bTy=κ−τcTx−τbTy=τκ(ATy)Tx−(Ax+s)Ty=τκ−sTy=τκ
と計算でき、双対錐の定義から sTy≥0 なので τκ≤0 となり、
τ,κ∈R_+ から少なくともいずれかは 0 となる。
τ>0,κ=0 の場合
x/τ,y/τ,s/τ が最適性条件を満たすことがわかるので、これらは錐線形計画問題(主問題・双対問題)の解となる。
τ=0,κ>0 の場合
主問題または双対問題が実行可能解をもたない。
参考文献[1]を参照。
τ=0,κ=0 の場合
実行可能解をもたないか、あるいは解について何も言えることがない状況である。
参考文献[1]を参照1。
1. 自明な解(オールゼロ)に向かわないことが証明されている。Totsu
では、Pock/Chambolleの一次法を適用しているが、この場合にも自明な解に向かわないことを示す必要があり、今後の課題のひとつ。 ↩